これができないあれはしたい

身バレは覚悟してます。

プライバシーを守りたい

 そろそろここに越してきて一ヶ月が経つ。電気もガスも水道もWi-Fiも通っており、家具も生活に困らない分には整った。1週間以上なくて困っていた洗濯機も今ではフル活用されている。そもそも基本的にスマホに釘付けの日々を送っているのだから、必要なものも少ない方なのだ。

 たがしかし、今のところ届いたものの、活用されていないものがある。レースのカーテンだ。

 両親らに引越しを手伝ってもらったときは、気づいたら普通のカーテンが付いており、きれいな色だなぁと思うだけだった。(このカーテンのチョイスは母親に全任せだったため、この日わたしは初めてカーテンを見たのである。日本は成人してもこんな調子だ。ちなみに取り付けも母親がやってくれたらしい。ありがとうママ。)レースのカーテンは欲しいサイズか店舗になく、取り寄せとなった為後日届いた。3日ほど熟成させて説明文を読んでわたしは驚愕の事実を知ることとなった。

 カーテンは、カーテンレールに引っ掛けねばならないのだ。

 ……ご存知だっただろうか?あ、待って欲しい、有名人の名前を出して、不明だらけのプロフィールを書き、「いかがだったでしょうか?今後も〇〇さんから目が離せませんね⭐︎」的な文句で終わらすあれと似たようなクソエントリーと近しい気がしているのはわかっている。ちょっと待って欲しい。

 わたしは比較的背が低めである。世の中の平均よりも低い。確か中学3年生の平均とかしかない。めちゃめちゃ空間を利用した収納がある家に引っ越してきたが、それも持て余すほど背が低い。そのため、カーテンレールというものが生活していてほとんど目に入らず、届かないという発想までいかなかったのである。

 踏み台はない。椅子や頑丈なケースなど踏み台の代わりになるようなものもない。おまけにこのご時世、どこも店がやってない。どこも忙しいってのにこんな不要不急の通販による買い物をするのも忍びない。そしてレースのカーテンはまたしまわれるのであった。

 そしてこのステイホームである。当然ちゃんとした服は着ず、適当なTシャツにパンツでうろうろする日々を過ごしている。でも換気をしなきゃいけないから窓を開ける、カーテンも開ける、ご機嫌で窓をから外を見る、向こうのアパートの人がベランダに出て電話をしている、その人と目が合う

 ……そうだ。おうちにいるのはわたしだけじゃないのだ。これを機に、レースのカーテンをつけるのは必要火急であると認識して、通販サイトを巡るようになった。