これができないあれはしたい

身バレは覚悟してます。

燃えないゴミを捨てたい

 燃えないゴミというのはなかなか出ないしなかなか捨てられない。前住んでいたところも今住んでいるところも2週間にいっぺんしか捨てられない。

 引越しの際、電気ケトルがもらえることが確定していたやかんなどを含め、そこそこの燃えないゴミが出た。計画性のないわたしは引越し3日前まで沖縄旅行を楽しんでおり、2日前からダラダラ準備を始めたため、当然それらは捨てられなかった。「ごみ」と書かれたダンボールにそれらを詰め込み、新居にしばらく置いてあった。

 引越しの準備は殆ど親類にやってもらったため、その段ボールを確認したのは最初の燃えないゴミチャンスの夜だった。あちゃーと軽く受け止めながらも次の燃えないゴミチャンスと捨て方、こっちでも燃えないゴミなのかを確認して2週間後、袋はこれでよくって、これもこれも燃えないゴミ、よしよしOKだなとスマホを閉じた。

 2週間後、寝坊した。8:00までに出してねというルールだが8:00に起きた。しかしそれまでに車が来た感じはなく、(静かなので音でわかる)、普段そんなこと言いながらも燃えるゴミは10:00頃回収に来るのを知っていたため袋詰めしてピットに投げ込んだ。
 その3日後別のゴミを捨てるのにピットを開けるとわたしが捨てたはずのやかんたちがこちらを見ていた。えっ、嘘じゃん……え、わたしの知らんうちに車来てたってこと……?次の収集は2週間後。そのままずっと入れとくのもちょっとアレなので持ち帰り、下駄箱にしまった。まぁ燃えないゴミだ。腐りもしないしピットに入ってたから雨や虫も大丈夫そうだ。

 2週間後。気合を入れて起きた。7:30にはゴミを出せた。ひょっとしたら前回はビットの中に入れたのがよくなかったのかしら。見つけられなかったんじゃないかしら、と思って、今回は敢えてピットの外に置いてみた。決して寝違えて肩が上がらなかったからではない。敢えての、作戦だ。
 そんなことも忘れてネットで漫画を読み、本を読み、だらだら過ごしていて数日後、スーパーに行くために外へ出ると

 あるのだ。わたしが捨てたはずのやかんが。しかも今回は外に置いてあったせいで雨をかぶってやがる。なんだよ。何がいけないっていうんだ。あとごみ収集の人も天気予報雨だったんだからピット入れておいてくれよ。あ、これは頼みすぎだねごめん。でも、ちゃんと地域のルール守って捨ててんのに……何がいけないんだ……。

 ひょっとしてこのやかんにも気持ちが……?思い出せばコーヒを飲むときも虫を退治するときも君に世話になってたな。だが……もう終わったんだよ君の仕事は。気づいていたろう?あの家に住んでいた頃も後ろの方は瞬間湯沸かし器のが便利だってそっちばっかに浮気してた。今はもう電気ケトルという新しい相棒がいるんだ。ごめんな、ごめんな……。

 なんだこれ。とにかく2週間後にはこれがちゃんと引き取られますように。